本の虫生活

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MIU404語り

ここのところ毎週追いかけているドラマ。

単純に綾野剛が好きだから、っていうのもあるけど、偶に見る警察系のドラマの疾走感がピタリと感性に刺さる。

もう次は5話って、なんか早く感じる…

これ最終回になったらすごく寂しいと思う。コウノドリのときもすごく好きだったけど、綾野剛星野源のバディ感、なんというか安定感があって好き。

 

昨日は仕事が押してリアタイで観られなかったからいま録画で観終わり、3話「分岐点」からいよいよ核心に迫ってきた4話。メインキャラクター達もよいけど、毎回犯人、被害者、関係者…それぞれのストーリーがメインに各話つくられているのがよい。なぜそんな行動に出たのか、『犯人』と呼ばれる人達は、一体何を考え、思っていたのか。悲劇と暴力の合間に、ほんのひと匙の深い優しさが見えるこの演出の加減が、疲れた金曜日に効くような気がする。

 


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せっかくなので振り返ると、

1話「激突」

主人公タッグ、志摩と伊吹の初対面。奥多摩の交番から異動してきた伊吹は、常識破りの方法で志摩を怒らせ、相性最悪と思われる二人は危険な煽り運転を繰り返す車に接近する。真面目だが他人も自分も信じないと公言する志摩と、我が道を行く自由すぎる伊吹の凸凹コンビが事件を追っていく。

2話「切なる願い」

殺人事件の容疑者が逃走しているという通報を受け、志摩と伊吹のコンビ(機捜404)は容疑者が乗っ取ったとみられる怪しい車の追跡をすることとなる。なぜか逃げる容疑者に協力する夫婦、容疑者を無実だと信じる伊吹、そして容疑者を載せた車は逃げ続け、着いた先で明かされる真実とは。

3話「分岐点」

 いたずら通報事件が頻発する西麻布管内。通報は“通報したプレイヤーが警察から逃げ切ったら勝ち“というネット上のゲームのルールを模倣した愉快犯の遊びで、機捜は容疑者とみられる高校生を発見し、追い詰めていく。高校生たちは、廃部になった陸上部の生徒と判明するが、彼らはなぜいたずらに執着するようになったのか。

4話「ミリオンダラー・ガール」

 拳銃による殺人未遂事件が勃発し、被害者は約1億円をもって行方をくらました。被害者の女性は2年前の裏カジノ事件で摘発されたカジノに努める元ホステス。彼女はなぜ撃たれたのか、1億円もの金の由来は、そして逃げる彼女の思惑とは。2年前の事件に因縁を持つ隊長の桔梗は、必ず彼女を見つけると意気込むが…。

 

 

1話は伊吹の走りっぷり、凸凹コンビの噛み合わないけどテンポの良い掛け合い、そして煽り運転を止める豪快すぎるカーアクションと駆け抜けるような展開で、初回でぐっと視聴者の視線を釘付けにしてくるのは流石というか。

こんなテンションで、激しいアクションとテンポの良い展開で来るのかなと思いきや、2話以降で‟犯人たち”にグッとクローズアップしたストーリー構成になり、2話の「家庭内暴力からの逃走」3話の「連帯責任での廃部」4話の「カジノ債務者」と、追い込まれ、徐々に道を外れてしまう弱者たちを丁寧に描写する演出に切り替えてくるのがまたとてもよくて。

2話の犯人の震えた身体と激しい慟哭、3話の仲間と悪ふざけをしている高揚感と寄る辺を失った不安定さが同居する高校生の姿、4話の逃げる女性が見せた睨みつけるようでいて助けを求めているような強い眼差し。犯罪に至る過程、どこにも持っていけなかった感情を役者の言葉で、身振りで、眼で表現してくるのがぞわっとする。小説を読んでいてもよくあるけど、気が付いたら犯人の側に肩入れしたくなるあの感じ。

現代社会の目を逸らしている問題、追い込まれる弱者達を意図的に描いていて、特に4話の「警察に通報したところで、警察が次の仕事を用意してくれる訳じゃない」と吐き出し、借金に苦しみ犯罪に加担した過去に、苦しい以前の状態に戻りたくないと一人きりで逃げる演出が胸にささる。

 

すくい上げることができるときと、できないときと。

伊吹の優しさ、志摩の冷静さ、隊長の正義感、それぞれがベストを尽くしても取りこぼして掬えないときがある、完璧なハッピーエンドには勿論できないバランス感が絶妙。

5話以降、メインキャラクター達のなかでまだ明かされない伊吹の一面がどのように明かされるのか楽しみ。

 

 

あと、エンディングがよい。

米津玄師のなかでも特に好きかも。


米津玄師 MV「感電」