zarameのブログ

おすすめ本の紹介などしています。著者をア行からワ行まで順番に。

【おすすめ本2018】13冊目 石田衣良

おすすめ本紹介、13回目です。
この記事では著者の五十音順に、わたしのおすすめ本を紹介しています。
今回は石田衣良氏からこちら。

 

池袋ウエストゲートパーク (文春文庫)

池袋ウエストゲートパーク (文春文庫)

 

 著者のデビュー作で、都会を強かに駆け抜ける若者たちを生き生きと描いた大人気シリーズのはじめの1冊。

池袋西口公園(主人公たちはカッコつけて「池袋ウエストゲートパーク」と呼んでいる)を中心に、若者が自分たちの力で様々な「敵」に立ち向かっていく痛快社会派クライム・ノベル。主人公たちが都会の闇に呑み込まれ、様々なトラブルに巻き込まれた人々のトラブルシューターとして活躍し、理不尽な社会へささやかな逆襲をしていく様子が小気味いい作品です。

1巻では主人公で果物屋の息子マコトが、家業で小遣い稼ぎをする傍ら、仲間たちとつるみ過ごすなかで仲間の1人が突然殺されたことを知り、真犯人を探すために立ち上がります。マコトは幼馴染で池袋ギャングの王様タカシ、池袋署の刑事吉岡らとともに事件について調べるが、予想外の悲しい結末が待っていてーー。

 

1巻は4つの短編から成り、どれも被害に遭う弱者、様々な問題に苦しむ若者たちの視点で描かれています。ストリートで享楽的に、あるいは必死に、または無作為に生きる若者の描写がリアルで、苦しみながらも自由を謳歌する登場人物たちにちょっと憧れを覚えます。いわゆる「優等生」はこの小説に出てきません。でも、仲間と街を大切にし、危険を省みず人のために立ち上がるマコト達の姿は、大事なもののためにがむしゃらに頑張る気持ちを思い出させてくれます。人目を気にして何もしない「いい子」より、精一杯できることに全力を出す生き方のほうが、きらきらして見える。苦しい社会でも自分らしく、身近な人を大切にして生きたいと思える爽快感のある小説です。

 

最後にもうひとつ。このシリーズの特徴として、クラシック音楽がたくさん出てくることを挙げておきます。以前別の記事に少し書いたので、載せておきます。

 

zaramechan.hatenablog.com

 

小説を読みながら、作中の音楽をかけて楽しむのも面白いです。わたしはこのシリーズと、のだめカンタービレ(漫画)の影響でクラシック好きになりました。新しい分野への興味を開かせてくれる本、という意味でもおすすめです。