【五十音順・おすすめ小説紹介】45冊目 アルトゥール・ショーペンハウアー
おすすめ本紹介、45回目です。
この記事では著者の五十音順に、わたしのおすすめ本を紹介しています。
今回はアルトゥール・ショーペンハウアー氏。
昨年あたりから地味に流行っている気がするショーペンハウアー。
上に載せた光文社古典新訳が苛烈な訳をしていて驚いたのですが、その分文章から気迫が伝わってきてぐいぐい読まされました。癖は強いですが、この人の本を読むならこちらの訳がおすすめです。
この本を手に取ったとき、深く考えず(ショーペンハウアー氏の著書を読むのもはじめてだったので)『読書を勧める本』だと思い込んで購入しました。読書ブログを書いてみたり、色々な方の書評を読んだりして楽しんでいたので、何か今後の読書や記事の書き方の参考になるかと思い、何気なくページを捲りました。
それがまさか、軽薄な読書への痛烈な面罵だとは想像もしませんでした。
※本書について言いたいことはほぼ全てこちらの記事(シミルボン寄稿)に書いてしまったので、もし気になる方がいたら暇つぶしにでもお読みください。
簡単にまとめると、本書は『自力で考えることを怠る読書家』と『無責任な書き手』を強く批判する内容となっています。
自分は読書家である、或いは文章を書いている、という人にとっては耳に痛く、気分を害することになるかもしれません(実際、わたしは読んで少し不快になり、その後暫くの間落ち込んで記事を書くことを辞めようかと思いました)。
しかし、よく読んでみると違う解釈もできてきました。
自分の頭で考えず他人の書いたものを受け止めるだけの読書だって、自分の気持ちを癒したり、後々になって思考に影響が出てくる等いいことはあると思います。わたしが片手間に書いているつまらない文章は、偉大な作家に比べれば読む価値なんてないに等しいと承知していますが、知らない本との出会いに一役買ったり、せめて頭を休めるくらいには使えるかもしれません。
鋭すぎる舌鋒にちょっと傷つきますが、本好きへの激励であると思って本棚の真ん中に置き、偶に読み返すようにしています。