本の虫生活

おすすめ本の紹介などしています。著者をア行からワ行まで順番に。

【五十音順・おすすめ小説紹介】49冊目 高野和明

おすすめ本紹介、50回目です。

そろそろこの連載も折り返しまで来たような気がしてきます。
この記事では著者の五十音順に、わたしのおすすめ本を紹介しています。
今回は高野和明氏から。

ジェノサイド 上 (角川文庫)

ジェノサイド 上 (角川文庫)

 

 

「13階段」ではじめて知った高野氏の作品で、発売当時かなり話題になったことを覚えています。このミス2012年1位、山田風太郎賞受賞、日本推理作家協会賞受賞など、たくさんの賞に輝き、本屋で平積みになっているのをよく見かけました。

SFであり、ミステリであり、そして何より強いエンターテイメント性に満ちた作品です。難しそうなSFやミステリは苦手とか、本より映画が好きという人にもおすすめできる、ワクワクさせる小説でした。

 

日本の大学で薬学を専攻する大学院生と、アメリカの傭兵部隊。全く関連のないような二人の物語が交錯しながら繰り広げられる逃亡劇に手に汗握って一気読みしました。新しい『人類の脅威』との邂逅を起点に次々と謎が明かされていく(或いは謎が増えていく)のはミステリとして読めますし、荒唐無稽なくらいの設定はSFとして楽しめます。読みやすいけれど、登場人物の背景や設定が書き込まれているので臨場感がたっぷりでした。わたしはSFは大体好きですが、特に長編で設定の書きこまれたハードな作品が好きなので、きっちりと説明のある本作は読みやすくてよかったです。

それでも内容はかなり突飛なので、本よりも映画を観ているような気分になりました。ジュラシックパークとか好きな人は合うかもしれません。

 

大人になってからはなかなか子どもの頃憧れたファンタジーや虚構の世界に縁が遠くなっていましたが、SFはそういう童心を思い出すきっかけになるので好きです。ファンタジーを読むというと照れくさくても、SFというとなんかカッコよく聞こえますし。

 エンターテイメント性と読み応えのバランスが取れたおすすめの作品です。