コウノドリの音楽
昨年2017年秋からTBSで放送していたドラマ「コウノドリ」はご存知でしょうか。
2015年10月から放送していたドラマの2期として放送された番組で、原作は講談社モーニングで現在も連載中のマンガです。1児の父である原作者が、わが子の出産を通して知った命の現場について。産婦人科医が主人公の作品で、リアルな産科医療の現場が舞台のヒット作です。命が生まれるまで、生まれてから起こるいくつもの葛藤、医療と倫理、そして奇跡を描いたヒューマンドラマです。
原作は、当たり前に思っていた出産、誕生について自分がどんなに無知でいたか、当たり前ではない奇跡の上で生まれてきたのか、ということ教えてくれる作品で、男女、世代を問わずだれにでも読んでほしいと思わせるマンガです。
さて、今回はドラマの方に主題をおいて話しますが、ドラマも原作から大きく外れることなく、俳優陣の名演技も光るすごい作品です。普段、映画やドラマで泣くことはほとんどない私でも、ハンカチなしに観るのは辛いくらい、息もつかせぬ展開と迫真の演技が心に響きました。綾野剛さん、星野源さん、吉田羊さん、松岡茉優さんなど俳優陣が好きな人にもおすすめです。
名シーンをもう一度! 『コウノドリ』第1~5話 SPダイジェスト 金曜22時【TBS】
このドラマ自体の魅力はまだまだたくさんあるのですが、イチオシしたいのがサウンドトラック、テーマ曲となっているピアノです。
ピアノテーマの音楽監修を行っているのはピアニストの清塚信也さん。1期2期と続いて担当しています。2000年第1回ショパン国際ピアノコンクール in ASIA 第1位、2004年第1回イタリアピアノコンコルソ金賞、2005年日本ショパン協会主催ショパンピアノコンクール第1位など、国内外のコンクールで数々の賞を受賞しているほか、人気ドラマ「のだめカンタービレ」にて玉木宏氏演じる「千秋真一」、映画「神童」では松山ケンイチ氏演じる「ワオ」の吹き替え演奏を担当したことで脚光を浴びたピアニストです。
コウノドリのピアノ曲は「まるで歌詞がついているような」「ドラマの世界観にぴったり」など話題を呼び、ドラマと合わせてコンサートが開かれるなど、反響が大きいものでした。
技巧もさることながら、本当に歌が聴こえてくるような、心に迫る音楽が特徴的で、ドラマでは全編聴くことは難しいですが、CDや動画などで聴くことができるので、ぜひ1曲を通して聴いてもらいたい曲ばかりです。演奏家としてだけでなく、作曲家としても非凡な才能を感じました。ピアノを習ったことがある人なら、意外と弾きやすい曲もあるので、挑戦してみてもいいかもしれません。
清塚信也 - For Tomorrow (TBS系 金曜ドラマ「コウノドリ」(2017)メインテーマ)
TBS系 金曜ドラマ「コウノドリ」The Best Tracks
- アーティスト: オリジナル・サウンドトラック
- 出版社/メーカー: SMM itaku (music)
- 発売日: 2017/12/20
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【 楽譜 】 ピアノ・ソロ コウノドリ / ザ・ベスト・トラックス (オフィシャル・スコア)
- 作者: 清塚信也,木村秀彬
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辻井伸行さんの音楽
世界的なピアニスト、辻井伸行さん。
今回はこの人について書いていきます。
- アーティスト: 辻井伸行
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- 発売日: 2007/10/24
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1988年東京生まれ。2009年6月、アメリカ「第13回 ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」で日本人として初の優勝を果たし、以来、映画や大河ドラマなど作曲家として多方面に注目を集めながら、国際的な活躍を繰り広げているピアニストです。
(公式HPはこちら↓)
News | 辻井 伸行 Official Web Site ++ Nobu Piano. ++
デビュー当時、全盲のピアニストであり、20歳という若さで日本人初の快挙を成し遂げた人物としてメディアに多く取り上げられていました。
ハンディキャップを背負いながら驚異の活躍、といった報道も多く見受けられましたが、世界的に活躍していく姿を通して、純粋にピアニストとして、音楽家としての評価が重視されるようになったと感じます。
はじめてテレビで辻井さんの演奏を聴いたとき、「なんて綺麗な演奏だろう」と驚いたのを憶えています。しかし本当に意識が変わったのはコンサートで生演奏を聴くようになったときです。
はじめて生演奏を聴いたのは辻井さんのピアノリサイタルで、ショパン、リストの曲を中心に構成されており馴染みのある曲が多かったです。後ろのほうの席だったのにピアノの1音1音まで身体に沁み込むような演奏で、難しく激しい曲のなかでも小さな音ひとつを決しておろそかにしないピアノの旋律に思わず息を呑んで聴き入ってしましました。息もつかせぬ曲もあれば、ゆっくりと心に響くやさしい曲もあり、緩急のついた演奏であっという間にアンコールの時間になっていました。
その後も何度もコンサートに足を運びましたが、2時間ほどのコンサートでも時間が長いと感じたことは一度もなく、コンサートならではの身体ごと音につつまれ、辻井さんの音楽にひたれる心地よさはぜひ多くの方に体験してもらいたいです。(チケット争奪戦がすでに凄まじいですが、日本で最高の音楽を聴くチャンスをぜひ楽しんでほしいです)
あるコンサートでは、ショパンのエチュードすべてを休憩なしで一息に演奏されており、若く体力も気力も十分ないまならではの圧巻の演奏でした。今後もどのように進化していくのか、注目し続けたいと思います。
おすすめのCDも載せておきます。
本から伝わる音楽ーピアノ
ピアノと本はとても相性がいい。
ピアノは楽器で、音を楽しむものですが、小説には音楽を題材にしたものが多く、活字から音が浮かび上がってくるような感覚になれます。
特に、クラシック曲やピアノを扱った小説は有名な作品も多く、歌詞もなく音でしか感じることのできない楽曲を、言葉で鮮やかに表現している小説について紹介していきます。
まずは、直木賞を受賞し有名になった恩田陸氏の作品「蜜蜂と遠雷」はピアノコンクールを題材にした小説ですが、この作品は音楽を聴いた人の心情描写が繊細で美しく、読みながら大ホールで客席に座って音に包まれているような感覚を覚えました。
音の旋律を表現するのではなく、聴いた人の心に浮かぶイメージ、コンサート会場で味わう言葉にできない荘厳さ、原始的な感情をゆさぶられるような感覚を見事に表現していると思います。
また、次に紹介したいのがこちら。森絵都氏の「アーモンド入りチョコレートのワルツ」。この作品は中学生が主人公の3つの短編で構成されていて、思春期の子供と大人のあいだのモラトリアムで、いつか過ぎて忘れてしまう日常を思い出させてくれるようなお話です。
前述の「蜜蜂と遠雷」では、音楽にかける人々の情熱を感じましたが、この作品は近所のピアノ教室や、クラシックなんて興味のない子供たちが主役で、決して特別ではないけどそばにある思い出をピアノの調べを通して描いているところが素敵です。
最後に紹介するのが、石田衣良氏の「池袋ウエストゲートパーク」です。
池袋西口公園(池袋ウエストゲートパーク)近くの実家で果物屋の手伝いをする主人公が、都会で起きる様々なトラブルを解決していくストーリーです。若者が都会で抱える貧困や様々な犯罪の被害、孤独をリアルな描写で表現し、それでも逞しく、どこか明るく楽し気な姿に勇気をもらえる小説です。
一見音楽とはかかわりがなさそうですが、主人公がいつも店先で聴いているのがクラシック音楽で、シリーズを通して様々な曲を知ることができるのが魅力です。クラシックに興味のなさそうな若者の視点で、クラシック曲のかっこよさが語られていくのが一風変わって興味をそそられました。
音楽を聴いてから読んで、読み終わってからもう一度聴いてみる。
なんだか違って聴こえてくるかも・・・?
レ・フレールの話
今回はピアノユニット、レ・フレールの話をしようと思います。
レ・フレールとは、フランス語で「兄弟」を意味し、その名の通り兄弟でピアノを連弾するユニットです。
詳しくは下記URL(公式HP)で確認して頂けますが、、、これがもう、かっこいいんです。"百見は一聞にしかず”です。
公式HP
演奏動画
Les Freres - Boogie Back To Yokosuka
以前、テレビに出演していたのを見て、演奏を聴いた瞬間に聞き惚れて、気が付いたらamazonでCDをクリックしてました。
コンサートも何度も行っていますが、手拍子を打ったり、観客と一体となって演奏をつくりあげる雰囲気がとても好きで、動画やCDを聴いて気になった方は、ぜひ一度生演奏を聴きにいくことをお勧めします。クラシックは少しハードルが高いけど、ピアノは好きという方にもお勧めです。
なかなか身近に同志がいないので、わたしはいつも一人で聴きにいっています。
一人参戦でもけっこう平気ですよ。
(本当は友達と来たいですが・・・・でも、ほんとにお勧めです!ひとりでも!)
わたしの好きなCDはこちらです。ぜひ興味があれば。
Anime de Quatre-Mains-アニメ・ド・キャトルマン-
- アーティスト: Les Freres
- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2006/09/06
- メディア: CD
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