「春の呪い」で一躍有名になった作家の最新作。
気になっていたけど手を出していなかった本作をようやく読みました。
まず、タイトルと表紙にやられました。
タイトルからは内容が想像しにくいのに、殺伐とした感じがひしひしと伝わって、デビュー作「春の呪い」のときよりも一段とインパクトが増しています。
一目見たとき、グロテスクな表紙かと思ってぎょっとしましたが、よく見ると入れ墨(これはこれで凄い)。少女漫画のような構図なのに、それにそぐわない異様な雰囲気があって、初見で手に取りたくなるような絵です。
ストーリーのさわりは、昔からある少女漫画の流れだな、と思って気楽に読んでいました。ヤクザの孫である女子高生が、対立するヤクザの孫と婚約の話を持ち掛けられ、最初は拒否しながらもほだされていくところから始まります。しかし、婚約相手の男は実はとんでもない人間で、主人公は一度は逃げ帰ろうとするものの、一矢報いることを決意するーーー。
その「一矢報いる」というのがとんでもない方法で、それに対する男の反応がまた斜め上でぶっ飛びます。シンプルな絵柄で物足りないかな、と思っていましたが、はっとするような構図が随所にあり、狂気の描写を鋭く描きながらユーモアを織り交ぜてくる緩急のきいた作品だと感じました。
ちなみに、著者のデビュー作「春の呪い」は このマンガがすごい!2017オンナ編2位を獲得した作品です。
インタビュー記事があるので、気になる方は以下を参照してみてください。