2021年迎春_やっぱり好きな中華系小説
2021年、あけましておめでとうございます。
予想通り、コロナの落ち着かない不安な年明けですが、ずっと続く訳ではないのでこの機会に今年も在宅でできることにチャレンジしたり、なにか一つ技能を磨いたり、ブログを更新できればいいなと思います。
特に、2020年秋から急速に落ちた羅小黒戦記の影響で、年末近くから中国語の勉強をちょっとずつ始めました。なんとか、簡単な会話や文章くらい読めるようになることが2021年の目標の一つです。ここに書いておいて、今年の年末の成果がどうなるやら、自分に発破をかけておきます。
それで、目標の一つであるブログの更新についても、元旦から1本記事を書くという気合(?)で臨みます。
きっと、羅小黒戦記の影響もあって、中国や中国の文化に興味を持つ人が増えていると思うので、私の個人的なお勧め中華系小説を紹介していきます。
①まずは短編から!古代中国の雰囲気を味わう
最近は、酒見賢一さんの本をあまり本屋で見かけない気がしてすこし寂しい。
でもこの小説、短いのでさっと読めるのに濃厚な古代中国の香りを感じるのでどんな人でも読みやすいのでおすすめ。古代中国の、戦争技術のプロフェッショナルとして名を馳せながら、非戦と愛を謳った謎の墨子教団。孫子などの有名な戦術家と比べて有名にはほど遠い彼らの、破天荒で謎に包まれた歴史をもっと知りたくなります。
この小説シリーズ、めちゃくちゃ好きなのに、いつの間にか紙の本がなくなっていてとても悲しい。ほんと、日本に武侠小説って全然入ってきてないけど凄く面白いからもっと流行ってほしい。ドラマとか映像ももっと日本で放映してほしい。
武侠×ミステリの短編集。武侠って馴染みがない人も多いかもしれないけど、空を飛んだり気を飛ばしたりなもの凄い長寿だったりするド派手アクションと思えば概ねOK。羅小黒戦記を観た人なら、無限のアクションイメージで概ね合っているかな。シリーズが3作まで出ていて、それぞれ違った味わいがあるから全部おすすめ。
③最高の完成度。これぞ中華小説の粋
洗練された中華小説というなら、この人が飛びぬけている。
なんで紙の本絶版になったんだろう…。この人が書く中国を舞台にした小説の完成度は凄まじい。人生で読んだ短編集のベスト10を考えるとして、この本はベスト3に入れると思うくらい好き。洗練度が段違い。
長編も、いまはほとんど電子書籍になってしまったけど、日本人が書いた中国のイメージというより、中国ならではの表現に近い、そういう文章が書けるのはやっぱりこの人くらいしか思い浮かばない。
④本格時代SFもいかが?
直木賞候補にもなった作品。
1943年、戦時中の上海で起きたある細菌兵器を巡る国家間の陰謀と争いを描いたSF作品。一瞬SFであることを忘れるくらい詳細に描かれた当時の上海の情景に圧倒される。上田さんの作品は、特に長編を読むといつも思うけど丹念な取材に基づいているから説得力がすごい。背景から情景、音、匂いが立ち込めるような鮮やかで危険な上海の戦時下を想像させられる。
⑤もっと知りたい人は
もはや歴史書。
中国の歴史を古代~宋の時代まで解説するシリーズ。歴史の教科書を辿るような内容だけど、普通に読み物として面白い。日本でも使う故事の由来や歴史上の重要な事件をドラマチックに、けれど小説ほどお話に寄り過ぎない絶妙の語り口で解説している。
以上、とりあえず中華系小説のおすすめをピックアップしました。
もっとマニアックなものがいい!とか上記を読んでもっと知りたくなった、という方は下記もよろしければ…
〇漆黒泉
日本人作家の作品では見ない、「中国らしい」独特の表現が満載で好き。
ミステリとしてもしっかり楽しめる(※別にマニアックとかではない)
三国志をまじめに好きな人は読んではいけない?
三国志と三国志演義、両方楽しめる人ならいいかも。孔明にかっこいいイメージを持っている人は、一気に崩れるので覚悟してください。私はめちゃくちゃ好き。
以上、2021年初記事でした。
今年もよろしくお願いします。