疲れすぎてなにもできない一日へ
疲れた。
泥のように重たく、引きずりながら動かす鉛の腕に、訳も分からず憂鬱で苛立ちの募る一日。せっかくの休日を、そんな風に過ごしてしまう。
今日はせっかく晴れで、明日から崩れるという天気予報を見て一層気は重く、頭はぼんやりと働かず楽しみにしていた本も碌に読めない。週末になったらあれをしよう、これをしようと思っていたことは一つもできなかった。誰が悪いわけでもないのに、行き場のない遣る瀬無さと後悔と、苛立ちと、苛立つ自分への自己嫌悪。どうにも今日は、かなり調子が悪いらしい
最低の一日で疲弊した精神と、べったりと圧し掛かる疲弊した身体。このどちらかでも癒せないものだろうか。
そこで思い出す。
ピアノの音。
わたしは本と同じくらい、ピアノも好きだ。
人の声はいまはすこし辛いから。
今日はピアノ日和だと思った。
ピアノは子どものとき習っていたからか、ずっと好きだった。
そんなに真面目に練習しなかったから、いま弾ける曲などほとんどないが、それでも最低年4~5回はピアノのコンサートに通っている。ピアノのメロディを聴くと、頭が空っぽに澄んでいくような、逆に奔流のような感情が渦巻くような、不思議な気持ちになる。そして大抵の場合、聴き終わったとき心が凪いでいる。
王道のクラシックでもいいし、激しい超絶技巧でも、ロックでも、ジャズでも、ブギウギでも。ジャンルはなんでもいい。ドラマや映画の馴染み深い曲をピアノに編曲したものも好きだ。偶にしかしないけど、好きな曲をぷりんと楽譜でダウンロードして弾くのも楽しい。
ただの音の連続で、なぜこんなに心が満たされるんだろう。
オーケストラや、人のヴォーカルでもいいけれど、ピアノはまた違って。
直接自分のなかに響いてくるような、じんとする音は特別で。
この記事を書きながらずっと聴いているけれど、どんどん心が穏やかになるのを感じる。
拭うことのできないストレスと、引きずれないくらい思い疲労は別に消えたわけではないけど、でも気にならなくなってくる。
なにもできなくて無力感だらけの一日だったけど、今日はピアノの音に包まれてちょっと幸せだった。
紹介したい本が溜まっているのに進まない記事の更新も、今はすこし諦めよう。
もうちょっと癒されて回復したら、読みたい本を読んで記事も書こう。
閑話休題でした。
※youtube おすすめピアノ動画
●クラシックピアノ好きな方へ
●明るいピアノ好きな方へ
●あまりピアノ聴かない方には