【五十音順・おすすめ小説紹介】41冊目 佐藤愛子
おすすめ本紹介、41回目です。
この記事では著者の五十音順に、わたしのおすすめ本を紹介しています。
小説ではなく、エッセイです。
今回は佐藤愛子氏。
振り回される人へのエール、あるいは叱咤。
佐藤愛子氏は、実をいうと作品をあまり読んだことがありません。
偶々手に取ったエッセイが何とも面白く、有名どころの『血脈』などを読まずに気づいたらエッセイばかり読んでいました。
『九十歳。何がめでたい』で話題を呼んだことは記憶に新しく、センセーショナルなタイトルは何でも長寿がめでたいという風潮に一矢報いていました。今回紹介するエッセイも、やはり持ち味はキレのよすぎる舌鋒とユーモアで、なんだか勇気が出てくる本でした。
壮絶な人生経験のなせるわざなのか、それとも女傑と評される気性のおかげなのか、歯切れよく語られる言葉は力強く、それでいて説教臭さや押しつけがましさをあまり感じさせません。しかし意外にも、本人は自分を『女傑』とは思っていないそうです。
本のなかで「破れかぶれ」と自分を評していた愛子氏。自分は勇敢で決断力に満ちているのではなく、短気のせいで我慢ならないことが多く、結果果断な人と思われるのだというようなことを言っていました。
「破れかぶれの行動だって、勇敢に見えることがある」
特別に気丈な人だから強いわけではない。自分の思うように行動してみればよい。そんなエールを貰える本でした。
愛子氏ほど果断に行動することはすぐにはできないけれど、言い訳をしない生き様は爽快で、読んでいて少し羨ましくなりました。
最後に、もう1冊おすすめを書いておきます。
タイトルが秀逸で、すぐ手に取ってしまいました。率直でドキリとするタイトルが目をひく1冊です。