zarameのブログ

おすすめ本の紹介などしています。著者をア行からワ行まで順番に。

【おすすめ本2018】25冊目 奥田英朗

おすすめ本紹介、25回目です。
この記事では著者の五十音順に、わたしのおすすめ本を紹介しています。
今回は奥田英朗氏からこちら。

 

イン・ザ・プール (文春文庫)

イン・ザ・プール (文春文庫)

 

 抱腹絶倒したいときに読む本。

 

精神科医伊良部シリーズ」の第1作目。同シリーズ「空中ブランコ」は2004年に直木賞を受賞しているので、知っている方は多いかもしれません。

  

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。この医者を訪ねる患者たちは、視線恐怖症、携帯依存症、陰茎硬直症など一筋縄ではいかない病理の患者たち。しかし、伊良部はその遥かななめ上をいく変人の医者だった。

 

なかなか重い精神病理の患者と、精神科医の話という前振りから、現代社会の闇とか精神病理の苦しみとかが描かれるかと思ったら全然違いました。 通常のカウンセリングなどは無意味だと拒否し、患者の話も碌に聞かず好き勝手に行動する医者・伊良部の奇天烈な言動が笑いを誘います。患者のほうがまともに見えるのが可笑しい。

実際に症状が治ろうが治るまいが、小さいことはどうでもよくなるような伊良部の自由奔放な行動にちょっと元気がもらえます。下品で自分勝手で、近くに居たら絶対敬遠するような人物なのに、悩みや病気を抱えた人と意外と相性がいいのではないか、自分も1回くらいこんな変な先生に相談してみたい、と思いました。

 

 自制が強く求められる大人だって、ちょっとだけ自分を解放して許してあげようかと思える読後感がこの小説のいいところです。全5話の短編集なので、疲れずに読むことができます。感動する物語や、社会に強いメッセージを発する本もいいけれど、たまには何も考えず奇天烈なキャラクターを楽しむ本もいいなと思います。

 

 

 最後に、奥田英朗を読むなら「最悪」「邪魔」「無理」の3部作ははずせないと個人的に思いますので、よかったらぜひ。転落系小説といったらこれ!という作品です。

最悪 (講談社文庫)

最悪 (講談社文庫)

 

 

 

邪魔(上) (講談社文庫)

邪魔(上) (講談社文庫)

 

 

 

無理〈上〉 (文春文庫)

無理〈上〉 (文春文庫)