zarameのブログ

おすすめ本の紹介などしています。著者をア行からワ行まで順番に。

【おすすめ本2018】6冊目 阿部智里

おすすめ本紹介、6回目です。
この記事では著者の五十音順に、わたしのおすすめ本を紹介しています。
6回目は阿部智里氏からこちら。

 

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

烏に単は似合わない? 八咫烏シリーズ 1 (文春文庫)

 

 平安朝を思わせるような時代設定で、人間と烏の形を行き来できる「八咫烏」が治める世界で、支配者の世継ぎ「若宮」の后選びをめぐり女たちが熾烈な争いを繰り広げるなか、最後に選ばれるのは誰か?

 

前半は若宮に選ばれ、后となるため様々な駆け引きをする「女たちの争い」、宮廷ものの風情が感じられます。4人の姫君が故郷を繁栄させるため、政争に勝つため、あるいは若宮に恋い焦がれるため、美貌、権謀術数を駆使してライバルと競り合っていく。争いのなかでも風流を忘れない、姫君たちの季節感あふれる贅を凝らした衣や行事の描写がなんとも風雅で楽しめます。陰謀や政治に巻き込まれながらも雅で美しい女の争いを軸に話が展開するなか、次々と不可解な事件が起こりーーーー。

 

姫君たちの秘密のベールが剥がれ、次々と明らかになる真実のなか、本当の黒幕は誰なのか。中盤からは打ってかわってミステリ仕立てとなり、華やかな宮廷のイメージから刻一刻と変わる状況に息をつかせぬストーリーに変化するところが魅力です。

 

最後のどんでん返しでは、なるほど松本清張賞受賞作品、というような意外な結末が待っています。奇抜で性急に進む展開から、賛否両論含め話題になった新鋭の作品。もともとはひとつの物語としてつくられた「若宮サイド」の話を描いたのがこちらの続編です。この2冊を読んではじめて納得する部分が多いので、ぜひセットで読まれることをおすすめします。

 

烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2 (文春文庫)

烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2 (文春文庫)

 

 こちらでは朝廷の権力争い、「男たちの争い」がメインです。

前作にほとんど登場しなかった若宮の意図や、姫君たちを取り巻いていた状況を外から俯瞰できる話になっています。

 

このシリーズは完結済みで、まだまだ続いているのですが、個人的には4作目、「空棺の烏」が好きです。学園や少年たちの青春と、政治の陰謀、秘密が入り混じった冒険譚のようでシリーズのなかでは一番ワクワクして読めました。よかったらこちらもぜひ。

 

空棺の烏 八咫烏シリーズ 4 (文春文庫)

空棺の烏 八咫烏シリーズ 4 (文春文庫)