太秦(うずまさ)に行ってきました
先日、念願の京都、太秦に行ってきました。
太秦とは京都市内の住宅地一体で、京都最古の寺である広隆寺で有名な場所です。
かつては時代劇映画の撮影所が多くおかれ、東映太秦映画村として観光地になっています。(わたしは映画村は行かなかったのですが)
太秦は10年来の念願で、ようやく機会を得ることができました....!
京極夏彦の小説、「絡新婦の理」を読んだことのある方にはおなじみの
木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)、通称、蚕ノ社
ここにある八角柱三柱鳥居が今回の旅のメインです。
詳しくは、小説のほうが面白いのでぜひチェックしてみてください。女権拡張運動と日本の女性的文化や風俗についての激論は読んでいた当時、かなり衝撃を受けました。ミステリとしても好きな作品です。
それで、本題ですが、まずは先に秦氏の氏寺、広隆寺を見ようと行ってきました。
門を抜けると、薬師堂、講堂、などが左右にあり、写真に写っているのが上宮王院太子殿です。
広々としていて、観光シーズンではないからか、観光客も少なくゆっくりと楽しむことができました。
奥にいわゆる宝物殿があり、入場料がかかりますがそこで国宝「弥勒菩薩半跏思惟像」が見られます。
写真NGなので、雰囲気だけお伝えしますと、宝物殿のなかはかなり暗くなっており少し見えづらいところもありますが、仏像は等身大くらいかそれより小さいもの、また、かなり見上げるサイズの千手観音像などがあり、仏像ファンや興味のある方にはおすすめです。
個人的に面白かったのは、「秦河勝御夫妻神像」という神像でした。
多くの仏像のなかにぽつんとあり、神像という存在自体も、秦河勝の姿をあらわした偶像としても珍しく、シンプルなつくりですが表情も見て取れ興味がそそられました。
京極夏彦の百鬼夜行シリーズ外伝、百器徒然袋ー風の短編の最後、「面霊気」で、秦河勝は神様として祀りあげられている、という話がありましたが、実際に神像が残っているとは知りませんでした。
広隆寺の話はここまでにして、次に訪れたのが旅の目的、木嶋坐天照御魂神社(面倒なので、以下は蚕の社とします)です。
こちらは広隆寺と比べてこじんまりとしており、むき出しの木の鳥居が風情があって好みでした。
推古天皇の時代からあったとされる古さであり、境内に養蚕神社があることから蚕の社、と呼ばれているそうです。
参道を進み、奥に至る手前を左に進むと、細い道が続いているのが見えます。
そこを進むと竹の柵があり、残念ながら近づくことができなかったのですが、柵の向こうにかの有名な元糺の池と「八角柱三本柱の鳥居」がありました。
行く前のイメージでは、池のほとりに鳥居があるのだと思っていましたが、現在は枯れており、石垣で囲まれた空間にこの不思議な鳥居がぽつんとあり、どこか異空間を感じさせる光景でした。
この鳥居の意匠の意味は諸説ありいまだ謎の多い神社です。
観光客も少なく、ゆっくりと不思議な空間と思索にふけるには、なかなかいいところですよ。
普通の京都観光に飽きた方はぜひ。