本の虫生活

おすすめ本の紹介などしています。著者をア行からワ行まで順番に。

【近況】カクヨム投稿はじめました

コロナ禍もすっかり慣れてしまい、元の生活ってなんだっけと思う今日この頃。 感染状況は落ち着いているものの、職業柄(社会福祉関係なので…)感染対策は万全で過ごしているので、旅行も外食も友達と会うことも全然ないので、休日は近所に買い物に行ったり…

読むことと書くこと

最近、小説を書いている。 書いているといっても、書き方を調べた訳でもなく、ただ適当になんとなく、文章の形を小説っぽく整えて切り貼りしている。 今まで何冊の本を読んだのか、千冊くらいかなあとぼんやり思うけれど覚えてはいない。ただ、大量の本を読…

はたらく細胞☞はたらく細胞BLACK

うっかり観たら大変なことになった。 【公式】『はたらく細胞BLACK』スペシャルアニメ映像(フルサイズver.)~大ヒット漫画『はたらく細胞』スピンオフ~ つい先週、テレビで放映していたのを観たら面白かったので録画して今日見ました。 10話。 あの気の良…

抱腹絶倒したいときの小説3選

壮大な長編も、TLで気になって読んでみたい本も、好きな作家の新刊でも、どうしても読めないときがある。 毎日残業で余力がないとき、理由も分からず落ち込んでいるとき。本は読みたい。でも気力がない。そんなとき読みたいのが、只々笑える小説。 今日はど…

いまさら彩雲国語り③「王佐」(凌晏樹と紅秀麗)

物凄く放置していた下書きを発掘しました。 前回の記事に引き続き、彩雲国物語最終巻「骸骨を乞う」の読み解きに挑戦します。 前の記事はこちら☟ zaramechan.hatenablog.com この連作記事では、本作を「宰相」「王佐」「王」の3つのテーマで分解して考えて…

【祝・新刊発売】幻と消えた和平工作

2021年1月20日。 ここ数年でのわたしの再推し作家、上田早夕里さんの新刊が発売されます。 楽しみすぎてまだ読んでないのに紹介記事を書きました。 ヘーゼルの密書 作者:上田 早夕里 発売日: 2021/01/19 メディア: 単行本 1.上田早夕里さんはどんな作家? …

2021年迎春_やっぱり好きな中華系小説

2021年、あけましておめでとうございます。 予想通り、コロナの落ち着かない不安な年明けですが、ずっと続く訳ではないのでこの機会に今年も在宅でできることにチャレンジしたり、なにか一つ技能を磨いたり、ブログを更新できればいいなと思います。 特に、2…

2020年ベスト小説【ベスト10まで】

年が明ける前に、2020年に読んだ本のなかのベスト10を記録しておきます。 ※2020年に出版されたというのではなく、単に2020年に読んだ本のなかで個人的なベスト10を選んでいます。 それでは、まず第10位から6位まで 第10位『巴里マカロンの謎』 巴里マカロン…

何もしないクリスマスの準備

感染拡大が収まる気配もないので、クリスマスに遊びに出かけることは控えるとして。 クリスマスをパーティーではなく家でゆったり過ごす、何もしない脱力クリスマスはどうだろう。 (家にクリスマスっぽい装飾が一切ないのでフリー素材を貼っただけ) まず、…

羅小黒戦記_『居場所』の問い直し

中国アニメの映画、羅小黒戦記の2回目を観てきた記念に。 luoxiaohei-movie.com あらすじ 山林の開発によって故郷の森を突然奪われた黒猫の妖精、小黒(シャオヘイ)。新しい居場所を探して山野や人里を彷徨い、人間に襲われていたところを妖精の風息(フー…

【五十音順・おすすめ小説紹介】62冊目 中村文則

おすすめ本紹介、62回目。 もうずっと更新していなかった五十音順小説紹介シリーズ、62冊目。 心機一転、タイトルを変えました。 銃 (河出文庫) 作者:中村 文則 発売日: 2012/07/05 メディア: 文庫 ようやく中村文則さんまで来たかと思うと、この五十音順紹…

バルガス・リョサを読んでみた

本当は『緑の家』を読もうと思ったのですが、下巻だけ本屋になかったためこちらが初読になりました。 アンデスのリトゥーマ 作者:マリオ・バルガス=リョサ 発売日: 2012/11/07 メディア: 単行本 ノーベル賞作家ということも知らず、以前誰かがTwitterで書評…

1,000冊の作品を読んでも、また貴方に会いに戻る

漫画が好き。 小説とか小難しいノンフィクションとかも好きだけど、漫画は他には代えられない魅力がある。華やかな絵柄、登場人物たちのくるくる変わる豊かな表情に心理描写、劇的な展開、濃い内容でもあっという間に読めてしまうスピード感。どれも好きで、…

ソロモンの偽証検証_【後編】"信じる"ことのその先に

ソロモンの偽証、感想後編です。 ソロモンの偽証: 第Ⅲ部 法廷 上巻 (新潮文庫) 作者:宮部 みゆき 発売日: 2014/10/28 メディア: 文庫 5-6巻 あらすじ ついに始まった学級裁判。8月15日終戦記念日、快晴のなか開廷された裁判。全日程5日間の濃密な時間がはじ…

ソロモンの偽証検証_【前編】隠蔽と開示

ソロモンの偽証、新潮文庫1~6巻、読了しました。 長いので、2回に分けて感想を書きます。 ソロモンの偽証: 第I部 事件 上巻 (新潮文庫) 作者:宮部 みゆき 発売日: 2014/08/28 メディア: 文庫 最初に、簡単にあらすじと登場人物について簡単に紹介します。 …

MIU404最終回記念。あしたの分岐点

すぐそばにある分岐点。 誰かの最悪の事態が起こる前に、なにができるだろう。 9月4日最終回だった、TBSドラマMIU404。 もう来週金曜から観れないのか…と思うとロスを感じるけれど、ずっと過去の世界線で描かれた物語が‟現在”に着地し、未来へと繋がっていく…

#MIU404からアンナチュラル、或いはアンナチュラルからMIU404

暑くて、感染も気を付けて、なかなか外に出られなくて仕事とドラマと本とTL監視みたいなことを続けてしまう。 ここのところ、休日出勤残業続きであたまが疲れてしまい、あまり本が読めないのがつらい。感染拡大の影響で仕事がなくなるより随分恵まれていると…

MIU404語り

ここのところ毎週追いかけているドラマ。 単純に綾野剛が好きだから、っていうのもあるけど、偶に見る警察系のドラマの疾走感がピタリと感性に刺さる。 もう次は5話って、なんか早く感じる… これ最終回になったらすごく寂しいと思う。コウノドリのときもすご…

4~6月 自粛中読んだ本(と読んでない本)まとめ

突如はじまり、そして解除後も続く緊張感。 3月頃はまだ、こんなことになるとは想像していなかった外出自粛要請や商店の休業、緊急事態宣言、5月の宣言明け、そしてここ数日の再びの感染者の増大。 働き方も変わるなかで、否応なしに家にいる期間が長くなっ…

【五十音順・おすすめ小説紹介】61冊目 中島敦

おすすめ本紹介、61回目。 コロナ禍の外出自粛で、思っていたよりも読書が捗っていなかったですが、緊急事態宣言下で、普段あまり手に取らない本を読んでみようと思い、中島敦に挑戦しました。 タイトルだけは知っていた南洋通信です。 南洋通信-増補新版 (…

辻井伸行 オンラインコンサートを聴いてみた

こんばんは。 今日、6月7日(日)20:00~、ピアニスト辻井伸行さんのオンラインコンサートを視聴しました。 コンサートという今とても開催がしづらく、次の機会がいつになるのかわからない娯楽を、オンラインで試すのははじめてでした。今回観たのはこれです。 …

コロナ禍の予言?『夏の災厄』読了

コロナ禍の予言ともいわれて、SNS等でにわかに話題になっていた篠田節子の『夏の災厄』 、手に入れることができたので読んでみました。 読書会に選書にもしましたが、もっと書きたくなったのでこちらにも載せます。 夏の災厄 (角川文庫) 作者:篠田 節子 発売…

いまさら彩雲国語り②「宰相」(鄭悠舜・李絳攸)

前回の記事で、細かい読み解きをという話をしたので、ちょっと書いてみます。 彩雲国物語の最後の外伝、『骸骨を乞う』の読み解きに挑戦です。 彩雲国秘抄 骸骨を乞う 上 (角川文庫) 作者:雪乃 紗衣 発売日: 2016/02/24 メディア: 文庫 ※※本記事では、彩雲国…

いまさら彩雲国語りー‟骸骨を乞う”から見える王ー

巣ごもり、もとい外出自粛生活で積読がすこしずつ目減りするなか(しかし無くなりそうにはない)、更新をすぐにサボるこのブログを書こうとするもやる気が出ず挫折。 テレワークでなぜか増える仕事量のせいか、無味乾燥な毎日になっていたので、昔好きだった…

【実家モラトリアム】ひとり暮らしへの憧れ

コロナ禍という言葉が浸透し、「外出自粛」にも慣れてきた今日この頃。 家にこもる中、ひとりの時間が逆に減ったことに今更気づきました。 5月を目途にひとり暮らしをはじめる予定だったのに、予想外の展開に肩透かしを食らったかたちで、実家暮らし継続の日…

春のプチ散策

一気に春へと進んだような陽気の週末。 久しぶりの連休、ちょっとほっと息が吐けるような暖かい日差しに誘われて、ちょっと散歩に行ってきました。 まだ世間はコロナで騒がしく、遠出するにも仕事の疲れが抜けないので、普段は全然寄り付かない、近所の大き…

小さく壮大な冒険

小説交換でいただいた作品。 タイトルは知っていても読んだことのない、うつくしい表紙の本で、しかも人が交換してくれたものなので、何となく勿体無いような、すぐ読みたいような気がして昨年読みました。 さらっと読めてしまうけど、今日せっかく雪がすこ…

【欲望の時代の哲学】マルクス・ガブリエル教授

先週からはじまった、この番組が気になっている。 「NHKドキュメンタリー 欲望の時代の哲学2020 マルクス・ガブリエルNY思索ドキュメント」 https://www4.nhk.or.jp/P5372/ ドイツ、ボン大学で最年少29歳で教授に就任したマルクス・ガブリエル氏のドキュメン…

3.11から

アガサクリスティの作品?と思いきや、こと"日本らしい"、過去になりつつある東日本大震災、福島第一原発事故を日常から見つめた作品集でした。 象は忘れない (文春文庫) 作者:柳 広司 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2020/02/05 メディア: 文庫 読む前…

パヴァーヌ 読了(2回目)

昨年読んだなかでも1、2を争う奇天烈なSF『パヴァーヌ』の2週目読了しました。 2019年ベストの記事でも書いたけれど、1回目の読了時では全然消化できなかったのでじっくりと2週目を読みました。 この間読んだアンナ・カヴァンの『氷』と同じサンリオSF文…